技能実習「介護」における固有要件
外国人介護人材の受入れは、介護人材の確保を目的とするのではなく、技能移転という制度趣旨に沿って対応しなければなりません。
詳しい条件等は、外国人技能実習機構(OTIT)もしくは、公益財団法人 国際研修協力機構(JITCO)のホームページにてご確認ください。
実習実施施設の条件
- 事業所ごとに、申請者又はその常勤の役員若しくは職員であって、自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督することができる立場にあり、かつ過去3年以内に法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める講習を修了した者の中から、技能実習責任者を選任していること。
- 技能実習の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、修得等をさせようとする技能等について5年以上の経験を有するものの中から技能実習指導員を1名以上選任していること。
- 技能実習生の生活の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者の中から生活指導員を1名以上選任していること。
- 技能実習指導員のうち1名以上は、介護福祉士の資格を有する者その他これと同等以上の専門的知識及び技術を有すると認められる者(看護師等)であること。
- 技能実習生5名につき1名以上の技能実習指導員を選任していること。
- 技能実習を行わせる事業所が、介護等の業務(利用者の居宅においてサービスを提供する業務を除く。)を行うものであること。
- 技能実習を行わせる事業所が、開設後3年以上経過していること。
- 技能実習生に夜勤業務その他少人数の状況下での業務又は緊急時の対応が求められる業務を行わせる場合にあっては、利用者の安全の確保等のために必要な措置を講ずることとしていること。
- 技能実習を行う事業所における技能実習生の数が一定数を超えないこと。
- 入国後講習については、、基本的な仕組みは技能実習法本体によるが、日本語講習(240時間(N3程度取得者は80時間)。)と介護導入講習(42時間)の受講を求めることとする。また、講師に一定の要件を設ける。
技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員
技能実習責任者講習・技能実習指導員講習はそれぞれ7時間、生活指導員講習は5時間の講習を受講しなければなりません。
技能実習責任者の職務
技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督し、技能実習の進捗状況を監理するほか、次に掲げる事項を統括管理する。
- 技能実習計画の作成に関すること
- 技能実習生が修得等した技能等の評価に関すること
- 関係法令に基づく届出、報告、通知その他の手続きに関すること
- 帳簿書類の作成及び保管並びに報告書の作成に関すること
- 技能実習生の受入れの準備に関すること
- 監理団体との連絡調整に関すること
- 技能実習生の保護に関すること
- 技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生に関すること
- 関係機関との連絡調整に関すること
生活相談員の役割
日本における生活上の留意点について技能実習生に指導するだけでなく、技能実習生の生活状況を把握するほか、技能実習生の相談に乗る等して、問題の発生を未然に防止する役割を担っています。技能実習生に不調がないか、変わった様子がないかを宿泊施設への訪問も含め常時観察し、場合によっては勤務時間外や休日も含めて技能実習生の相談に応じたり、緊急時の対応に努める場合もあります。
また、生活指導員は定期的に生活指導記録等を作成し、それ以外の役職員との間で情報を共有することで、職場の全員で技能実習生をフォローしていく体制を作ることが望ましいと言えます。
技能実習責任者、技能実習指導員及び生活指導員は、各々に求められる要件を備えた上であれば、兼務することは可能です。
対象施設
介護福祉士国家試験の受験資格要件において「介護」の実務経験として認める施設のうち、現行制度において存在するものについて、訪問介護等の訪問系サービスを対象外とした形で整理をしたもの。
技能実習生の人数枠
受け入れることができる技能実習生は事業所単位で、介護等を主たる業務として行う常勤職員(常勤介護職員)の総数に応じて設定(常勤介護職員の総数が上限)した数を超えることができない。
宿舎の確保
〇寝室は、床の間・押入を除き1人当たり4.5㎡以上を確保する必要があります。
〇就寝時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は、寝室を別にする措置を講じていること。
〇トイレ、洗面所、洗濯場、浴場を設けること。
賃金・労働保険・社会保険
日本の労働者と同様に社会保険(健康保険・国民健康保険)、年金(厚生年金・国民年金)、労働保険の加入が義務付けられています。また、1年後には住民税の納税も発生します。
技能実習生が定期に負担する費用
食費、居住費、水道・光熱費は、技能実習生との間で合意がされている必要があり、その費用が実費に相当する等適正でなければなりません。
居住費
借上物件の場合
管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料等を含まない借上げに要する費用を入居する技能実習生の人数で除した額以内の額